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今回は北条かやさんの書籍「キャバ嬢の社会学」の書評をお届けいたします！

キャバクラ嬢の難しさ。それは恋愛感情の対処

キャバクラに嫌悪感すら抱いていた女子大生だったが、次第に「”女性らしさ”や”若さ”は金になる。自分自身が”商品”にならなければわからなかった。それは”顔と金の交換システムのさみしさ、くだらなさ、そして、魅力”だ」と思うようになる。

しかし、一方で、キャバ嬢という仕事は、他の夜の仕事であるホステスよりも苛酷ということに気づいていく。それは、お客からの恋愛感情への対処だった。もともと豊富な会話術でおもてなしのプロとして働くホステスとは違い、キャバ嬢という仕事は素人でもできる、高度な会話術はほとんど必要ない。だっからほとんどのキャバ嬢は素人意識のまま接客するために、その素人っぽさが逆にお客から”恋愛感情”を引き出している。

「どこに住んでるの？」「お店に来るんじゃなくて○○の家に行きたい」「今夜、会おうよ」

ほとんどのキャバ嬢はこんな誘いを日常的に受けているのだという。お店もこれは承知の上でキャバ嬢として働く女性の素人っぽさを利用して恋愛感情を引き出させ、お店に足を運ばせようとしている。

本当にキャバ嬢とお客が恋愛関係になってしまったらお店として困ってしまうし、キャバ嬢たちにもそんな気はほとんどない。しかし、お客に恋愛感情が全くないと思われてしまったらお店に来てくれなくなる。だから、キャバ嬢はお客の恋愛感情をうまく対処しなければならないのだ。

「はじめから『細かい偽の設定』を考えておく」

恋愛感情をうまく対処するにはかなりのテクニックが必要になってくる。そのために、マニュアルというものが存在する。「はじめから『細かい偽の設定』を考えておく」という。名前や誕生日住所など個人情報はすべて嘘。同居していなくても友達や家族と住んでいることにしたり、彼氏がいても「別れたい」「彼氏になってくれる人いないかな」という言い方をしてお客の男性にあたかも気持ちがあるかのようにするのが好まられる。

こういったテクニックはかなり使えますので、1時間でも設定を考えておくのをおすすめします。